三方良しの会が大間々のシンボルの一つとして位置付けている「三方良しの井戸」を改修しています。
「三方良しの井戸」とは、私の店の前の岡直三郎商店が掘った井戸のことです。
今から226年前、近江商人の河内屋忠兵衛は大間々で醤油の醸造業をはじめました。近江商人の商いの精神は「三方良し」(売り手よし、買い手よし、世間よし)というものです。岡直三郎商店は屋敷内の井戸のほかにもう一つ、周辺の人たちに使ってもらうために北側の路地の塀の外側に井戸を掘りました。その井戸は今でも周辺の人たちが井戸組合を作り、電気で水を汲みあげて利用しています。
三方良しの会では、東日本大震災の教訓を活かし、災害時に停電の時でも井戸水が使えるように手押しのポンプを復元しました。そして今回、老朽化して危険になっている井戸の建屋も修復することにしました。
三方良しの精神は、自分が楽しみ、人を喜ばせ、地域や社会をよくするという意味でもあると思います。
三方良しの井戸の改修は、三方良しの精神を後世に伝えるための事業でもあると思っています。