昨日は叔父のお棚上げで東京へ行ってきました。姉弟や従弟や親戚が顔を合わせるのが葬式や法事の場であることが多くなりました。人が亡くなるというのは悲しいことではありますが忌み嫌うものではないと思うようになりました。
東京往復の電車の中で、中山靖雄先生の『すべては今のためにあったこと』という本を読みました。中山先生は修養団・伊勢道場の道長をされていた方で何度か講演を聞いたことがありました。本を読みながら、その優しい語り口がよみがえってきて、「いいふうに」生きようという本の内容がいっそう深く心に沁みてきました。
本の中に「死ぬるべき覚悟を決めて産む子なりその日のつとめなし終えておく(逝く)」という歌があり、電車の中でこの歌を読んで目頭が熱くなってしまいました。
私の母は私を産んで3時間後に亡くなりました。「出産見舞いに来てくれる人のために、働き者のちよさんは、お産の前に家中の障子を全部真っ白に張り替え、煮物もいっぱいつくってくれていた」と近所に人に教えられました。私もずっと、お祝いに来てくれる人のために障子を張り替え、煮物を作っていたのだと思い込んでいましたが、この歌を読んだ時、もしかしたら母は「死ぬ覚悟で」私を産んだのかもしれないと思いました。
母の命と引き換えに頂いたこの命、大切に使いたいと思っています。