今日は赤穂浪士討ち入りの日です。
今月3日、ながめ余興場で行われた立川志の輔独演会での出し物も、歌舞伎の
忠臣蔵五段目・斧定九郎役を見事に演じた初代・中村仲蔵の出世物語でした。
前々から、今回のながめ余興場での出し物が「中村仲蔵」と聞いていたので、万障繰り合わせて聴きに行きました。今回の独演会は、ながめ黒子の会の主催ではなかったので、お客としてゆっくりと落語を楽しむことができました。
前座が一人と志の輔さんの新作落語が20分ほどあり、中入り後は、古典落語「中村仲蔵」を1時間半、たっぷりと聴かせてもらいました。
四代目・市川団十郎に才能を認められ、歌舞伎役者の家柄でない仲蔵が、セリフのない稲荷町から中通り、相中、名題と出世していく物語は、ながめ余興場という芝居小屋の雰囲気と相まって、笑いあり涙ありの落語の醍醐味を十分に味わうことができました。
500人以上の観客の視線を一点に集める志の輔さんの話芸に時の経つのを忘れて聴き入ってしまいました。
初代・中村仲蔵という人は、今から226年前の天明5年に名題になりました。足利屋前の醤油醸造の岡商店が大間々に店を出したのと同時代のことです。
歴史のある町の味わいのある芝居小屋で本格的な古典落語を聴くことができた幸せを感じています。