今月も栄子さんからお便りが届きました。
毎月、虹の架橋の「やっちゃん日記」を読んで、その情景をイラストにして送ってくれます。
まるで、同席していたかと思うほど雰囲気が出ていて嬉しくなります。
11月23日(金)
娘の恭子の結婚式だった。
10年以上前から、親戚や知人の結婚式に招かれるたびに、いつか自分も花嫁の父になる日が来るのかと複雑な心境だった。その日がついに来てしまった。
ウエディングドレス姿の恭子と教会に入場する直前に「おめでとう、幸せにな」と言うのがやっとで、あとは言葉にならなかった。恭子と腕を組んでバージンロードを歩き新郎に恭子を託して後ろ姿を見送った。
披露宴は終始華やかで和やかな雰囲気だった。披露宴の最後は両親への花束贈呈。恭子が両親への手紙を読みはじめた途端に今日までのことが思い出されて涙があふれた。新郎が最後に挨拶をした。真心のこもった最高の挨拶だった。心の片隅に残っていた固いしこりのようなものが溶け「娘をよろしく」と素直に思えた。ソクラテスが『君がよい妻を持てば幸福になるだろうし、悪い妻を持てば哲学者になれる』と言った。新郎には幸福な哲学者になってほしいと思った。