先日、NPO法人「足尾歴史館」の長井一雄館長さんと会ってきました。虹の架橋の熱心な読者でもある長井さんは「足尾銅山を世界遺産に」という活動の中心人物の一人です。
鉱害の原点という負のイメージが強い足尾ですが足尾歴史館を訪れて展示品や当時の写真などを見ると、足尾が日本の産業の近代化の原点であり鉱害防止技術の原点でもあることがよくわかります。日本で最初の産業用水力発電所が作られ、そのために集められた帝大出の電気技術者のエリートたちはのちの東芝、日立製作所、富士通などの会社を興しています。そして、ソニーの創業者の一人井深大(いぶかまさる)さんも、足尾銅山の電気技師・井深甫さんの長男としてこの地で生まれています。
足尾銅山の最盛期には劇場、芝居小屋が13軒もあり、昭和4年に造られた誠之館(せいしかん)という劇場は2000人収容の大規模施設であり大相撲足尾場所やサーカスなの興業も行われていました。
足尾は近代産業の足跡と環境問題を考える町として多くに人たちに来てもらいたいと思います。
日本で最初の本格的産業用発電所となった間藤水力発電所跡